空と大地の境目が消える、世界でも指折りの絶景、ウユニ塩湖。その景色を自分の目で確かめたくて、ラパスから夜行バスで向かいました。
訪れたのは2020年3月。水面に空が映る「天空の鏡」を、日中と早朝の2つのツアーで、とても綺麗に見ることができました。
01ウユニ塩湖とは
ウユニ塩湖は、ボリビア南西部のポトシ県、アンデス山脈の高地にある塩原です。標高は約3,650m、面積は約1万平方キロメートルにおよぶ、世界最大級の規模を誇ります。
この一帯は、はるか昔には巨大な湖でした。気候の変化とともに湖の水が長い年月をかけて蒸発し、あとに塩の大地が残ったと考えられています。
地面は驚くほど平らで、場所による高低差は1m未満とされています。そのため、人工衛星の観測機器を較正する場所としても利用されています。
最大の見どころが、雨季(12月〜3月ごろ)に現れる「天空の鏡」。ほぼ平らな塩原に雨水が薄く張ると、水面が鏡のように空を映し出します。
02ラパスから夜行バスでウユニへ
ラパスからウユニへは、夜行バスで移動しました。2つの町は約550km離れていて、所要時間は9〜12時間。一晩がかりの長距離移動です。
そんな長旅の前に、まずは腹ごしらえ。バスに乗る前に、ラパスの食堂で夕食をとりました。注文したのは、ボリビア名物の「ピケ・マチョ」。フライドポテトの上に、牛肉やソーセージ、野菜、ゆで卵などをのせてマヨネーズをかけた、ボリューム満点の一皿です。コチャバンバ発祥の料理とされています。
食事を終えると、夜のうちにバスへ乗り込み、ラパスを出発しました。ラパスの標高は約3,650m、ウユニの町は約3,670m。ほぼ同じ高さの高原を、一晩かけて南へ走ったことになります。
早朝、ウユニの町に到着。一晩で移動できたおかげで、その日のうちから日中ツアーに参加できました。
03ウユニで参加したツアー
ウユニでは、到着した日の日中ツアーと、翌朝の早朝ツアーの2つに参加しました。日中ツアーは出発前に日本からインターネットで予約し、早朝ツアーは現地のショップで探して申し込んでいます。
日中は、旅行会社「HODAKA(穂高)」の混載ツアーを利用しました。混載ツアーとは、ほかの旅行者と同じ車に乗り合わせて巡る形式のことで、1人でも参加しやすいのが特徴です。
現在の案内では、このツアーの一般的な流れは、列車の墓場や、塩の加工で知られる小さな村コルチャニに立ち寄ってから塩湖へ入り、塩湖の中でピクニックランチをとる、というものです。天候や塩湖の状態によって、立ち寄る場所や順序は変わることがあります。2020年当時とは内容が異なっている可能性があります。
04日中ツアー:塩の大地を巡る
私が参加した日中ツアーでは、列車の墓場と塩湖を巡り、塩で作られた建物でランチをとりました。
列車の墓場は、町はずれにあります。かつて鉱物を運ぶために敷かれた鉄道が、資源の枯渇などで廃れ、使われなくなった車両がそのまま残されていると言われています。青空の下に錆びた蒸気機関車が並ぶ光景は、どこか現実離れしていました。
塩湖に入ると、「DAKAR BOLIVIA」の記念碑(冒頭の写真)がありました。ダカール・ラリーにちなんで、塩のブロックで作られたものです。近くには、世界各国の旗がずらりと立ち並ぶ場所もあり、日本の旗も掲げられています。
車やバイク、トラックなどで、砂漠や荒れ地を数千kmにわたって走破する、世界的に有名な長距離モータースポーツです。1978年に、フランスのパリからセネガルのダカールを目指す大会として始まりました。2009年から2019年までは南米で開催され、ボリビアは2014年から開催国に加わっています。
ランチをとったのは、「Comedor de Sal(コメドール・デ・サル)」という食堂です。「comedor」はスペイン語で食堂の意味。腰かけた椅子も、室内に置かれたオブジェも、塩でできていました。塩の建物で、塩の椅子に座ってランチをいただく。そんな不思議な体験でした。
05空を映す「天空の鏡」
そして、水が張ったエリアへ。足元の水面に、青空と雲がそのまま映り込み、どこまでが空で、どこからが地面なのか分からなくなります。見上げても見下ろしても空、という不思議な感覚でした。
どこまでも平らで、目印になるものがほとんどない塩湖は、遠近感が曖昧になるため、トリック写真にもぴったりの舞台です。日中ツアーでも、さまざまな小道具を使って、トリック写真をたくさん撮りました。お菓子の筒や恐竜のおもちゃも、立派な小道具になります。
06早朝ツアー:朝焼けに染まる水面
翌朝は、早起きして早朝ツアーへ。日の出の前後に、塩湖の水面が空の色に染まっていくのを眺めました。
空がオレンジ色に燃え、その色がそのまま水面に反射します。日中の青い世界とはまったく違う、静かで幻想的な光景でした。
ちなみに、日の出前のまだ暗いうちには、「ライトペインティング」という撮影でも遊びました。シャッターを開けたまま暗い中で光をくるくる動かして文字を描くと、その軌跡がそのまま写真に残ります。水面にも映って、上下対称のおもしろい一枚になりました。
07訪れて感じたこと
日中の青と、早朝のオレンジ。同じ場所とは思えないほど、時間帯によって表情が変わるのがウユニ塩湖の魅力だと感じました。1泊の滞在でしたが、日中と早朝の両方の表情を見られたのは貴重な体験でした。
体験は2020年3月当時のものです。ツアーの内容や現地の状況は変わっている可能性があります。天空の鏡は雨季の限られた条件で現れるため、訪れる時期や天候によって見え方は異なります。